更紗回廊BBS
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HAPPY BIRTHDAY 投稿者:加月聖 投稿日:2018/02/01(Thu) 00:07 No.2190  

お誕生日おめでとうございます。
今年もやってきました。

-----------------------
昨年4月、大移動があった。

結羽は第一志望の大学に落ち、第二志望の大学に受かった。ただし、第一志望だったのは朝、駐輪場を使えるからであって、本当に行きたかったのは第二志望の大学だった。こっちはバス通学になる。
毎朝、希望に会えなくなる
それが結羽の悩みの種だった。

一方、希望は配属替えがあった。人件費を削減し駐輪場を無償化、希望は市役所の出張所に異動となったのだ。職場は近くなったが駅とは反対方向だ。
毎朝、結羽に会えなくなる
それは希望にとって死活問題だ。

「どうしたもんかなぁ、ユウ。まぁ、土日は休みだからゆっくり会えるといえば会えるけどさぁ。」
猫を相手にまだ結羽に打ち明けられない希望はブツブツ独り言。
その独り言を言っている部屋は、とある大学の隣にあるマンションの一室だ。

「ただいま」
「お帰り」
あれから10カ月。
結羽は希望の部屋に帰って来ている。
結羽とユウはすっかり仲良しだ。
ただし…親公認の仲ではない。
前途"少"難。
-----------------------
寒い日が続きますが風邪などひかれませんよう。
そして最上の一年が訪れますように。



雪も溶けそうな… 更紗 - 2018/02/01(Thu) 21:53 No.2191  

こんちは!聖さん。お祝いありがとうございます。
今年も結羽くん&希望くんに会えて嬉し〜(*^^*)
でもって、すっかり仲良しになったふたり?
10ヶ月の間に何があったのか、知りたい!
こちらにもちょっとだけ幸せのおすそ分けを…(まとわりつくのやめなさい)

そういえば以前、大学の隣にあるマンション…に、通っていたことがあります。
学生街で、銭湯なんかあって(!)夜もガヤガヤと賑やかで
住んでる誰もが「今」のことしか頭になかった。
結羽くんと希望くんにも「今」を大事にしてほしいなあ〜なんて。
多少の「難」も人生のスパイスさ!(ホント?)

皆既月食、見ました?
僕はベランダからほんの少し。薄い雲がかかっていました。
この画像はきれいですね!

そちらは今年は雪の日が多いとか。
足元に気をつけて、明日もあさってもしあさってもその次の日も、
ハッピーな毎日を(^0^)



画像は 加月聖 - 2018/02/02(Fri) 01:42 No.2193  

photo by sei☆kazukiでございます。
デジカメを目いっぱい望遠利かせて頑張りました。
因みにもう一枚あるのですがブログに張り付けてあります(笑)

家の近所に大学がありまして。
その横にJRの家族寮…とは言えないほど豪華なマンションがあります。
そこからヒントを得たのが今回のお話でして…。
だから我が家の近所には以前は銭湯がいっぱいありました…半減しましたが。銭湯、好きなのになぁ。スパより好きかもしれません。

昨夜の月空から一転、今夜は雪空です。
明日の朝が怖い〜。



おお! 更紗 - 2018/02/04(Sun) 00:07 No.2195  

よく撮れたね!すご〜
色合いが実に神秘的でありんす。

銭湯、そういえば最後に行ったのいつだったかなぁ…
浴槽広々してていいよね。それに堂々と鑑賞でき…(何を)
夜道を帰りながら飲むビールがまたうまかったり。それがもし
いい感じの彼氏とならもう最強(*^^*)

今日は雪、積もったのかな?
今年の冬は神様も気まぐれ(^^;)



ウェルカム2018☆ 投稿者:更紗 投稿日:2018/01/03(Wed) 12:07 No.2189  
晴れてあたたかい正月でしたが、3日の今日はみぞれが降ってきました。
いかがお過ごしですか>皆さま
僕はきのうやっとメインのバラの施肥剪定誘引をすませ、
今日は明日からの出勤の準備です。
毎年あたらしい年を迎え、
ひとは変わろうと思わなくても少しのきっかけで
いつのまにか大きく変わっていくこともあるのだと思うと
出会いは本当に貴重です。
今年も僕たちにたくさんの出会いがありますように^-^

本年もどうぞよろしくお願いします。

内藤更紗



雪原にて 投稿者:更紗 投稿日:2017/12/31(Sun) 02:09 No.2186  
************************************************

          雪原にて

 そこは一面の真白な雪の原で
 粗末な木で組まれた棚が延々と続いている
 棚には植木鉢を伏せたような形の雪が整然と並んで
 何かを待っているようでもある

 そっと触れると雪はほろほろと崩れ
 それが少しも冷たくないのに僕は驚く
「何してる」
 背後で繁にぃの声がして、僕は振り返る

 そこでいつも夢は終わる

 繁にぃの顔を、僕はもう思い出せない
 にぃだけじゃなく母さんの顔も、父さんの顔も、もう思い出せない
 3つのときに別れてから
 雪が降り積もるように、時が記憶を覆い隠していった

 夢の中の指先でほろほろと崩れた感触は
 雪ではない、何かの粉だと気づいたのはずっと後のことだ
 白い粉の原
 幼い自分はよくそこで遊んでいた
 それはどこの町だったのだろう

 確か港があった 砲台もあった 鎮守の森もあった
 そして白い粉の原
 あれはもしかしたら石灰だったのだろうか

 僕は石灰の産地を調べ、石灰の工場を探した
 そこには繁にぃが、母さんが、父さんが、今も住んでいるかもしれないと
 でもわからなかった わかるのが怖かったのかもしれない

 最近になって、その地方の特産品を見る機会があった
 そして白い粉の正体は珪砂かもしれないと気づいたのだ
 今でも露天掘りで採掘を続けている業者が1者だけあるという
 その作業姿がサイトに挙げられていた

「繁にぃ」………



 夢の中で、僕はやっと振り返ることができる
 日に焼けた男の顔が僕に笑いかけていた

************************************************

2017年も遊びに来て下さってありがとうございましたm(__)m
来年が幸せな年になりますように!



明けましておめでとうございます 加月聖 - 2018/01/01(Mon) 01:39 No.2187  

昨年中は大変ご無沙汰してしまいました。
本年はもう少し足"繁"く通う所存でございます。
よろしくお願い申し上げます。

…ということで。
↑生きていてくれてよかった。
ドキドキしちゃいました。



おめでとうございます^0^ 更紗 - 2018/01/01(Mon) 23:22 No.2188  

聖さん、こんちはー
今年のお正月はどうですか?
僕は休息と充電第一と、のんびり過ごしています。
今年は去年よりもう一歩だけ前へ、進める年にしたいと思ってます。
本年もよろしくお願いします^-^


なんか雪の原って、「帰るべき場所」のような気がするんですよね。
雪国に生まれたわけじゃないんですが^-^;;



クリスマス・イブ☆ 投稿者:更紗 投稿日:2017/12/24(Sun) 02:08 No.2185  
今年もやってきたクリスマス・イブ。
あの人はどこで何をしているだろう。
ダンス好きな人ならイブの日は仲間と大騒ぎ。
そして夜にはきっと誰かのために祈るのだろう。
それともイブには大そうじをして
頼まれた犬小屋のペンキ塗りをしているのかもしれない。
手作りケーキでホームパーティ。
子どもたちの枕もとにプレゼント。
夢見る人と同じ夢を見て
駆け出す人と同じ方へ駆けて行きたい。
祈る人のために祈りたい。
同じ星に生まれた人のために、
今日はクリスマス・イブ。

素敵な1日をお送りください。



バカンスからの帰宅? 投稿者:sankai 投稿日:2017/09/24(Sun) 19:51 No.2183  

こんばんは。
先日はご心配をおかけしましたが、
イケメン猫が2カ月ぶりに帰ってきました!(^▽^)

かなり痩せていたものの、怪我もなく元気でした。
またふいにいなくなるかもしれませんが、
前ほど心配せずに済みそうです。
(逆に今、心配して探している人が居るかも…?)
お気遣いありがとうございましたm(_ _)m

更紗さん、あれから風邪はすっかり良くなったでしょうか。
最近は寒暖差が大きい日もあるので、
引き続きお体に気を付けて、秋を満喫して下さい(^-^)



お帰り! 更紗 - 2017/10/08(Sun) 22:26 No.2184  

来るの遅くなってごめんなさいm(__)m
ネット落ちしていた間にこんな嬉しいニュースが!
よかったですね、イケメン君との再会。
もっと寒くなる前に帰ってきてくれて、それもひと安心…
今頃は思いっきりsankaiさんに甘えてるんだろうなあ^-^
ごろごろ、なでなで、ごろごろ、なでなで、の、エンドレス?

色づきはじめた紅葉、きれいですね。
葉っぱの一生の終わりにこんなきれいな色になるなんて、何かご褒美みたいですね。
そしてなぜ、自然の色素の移り変わりを見て、
人間は「きれい」だと感じるのでしょうね。
感じても感じなくても、生存には関係がないのに、不思議。

…などともの思う秋(←普段からぼーっとしてるぞ)
風邪はよくなりましたが、頭は…(以下省略)

秋は美しくて、短いです。思いきり楽しみましょー!^0^



暑中お見舞い申し上げます 投稿者:sankai 投稿日:2017/08/01(Tue) 12:28 No.2179  

更紗さん、お久しぶりです。
いかがお過ごしでしょうか。

私は元気です。
ただ、イケメン猫君が2週間ほど前からぱったり帰って来なくなり、
寂しい夏を過ごしています。
(来て早々驚かせてすみません;)
といっても、ノラだと思っていた彼には本宅(?)があるらしく、
そちらでのんびり過ごしているんだろうと、楽観しています。
元気で、どこかでかわいがられているなら、それでいいんですが。
…ツミなヤツです(T-T)

ではでは、更紗さんも時にはご自分を甘やかして、
お身体を大切にしてくださいね。
みんなで一緒に、夏を乗り切りましょう(^-^)



夏空 更紗 - 2017/08/12(Sat) 17:11 No.2180  

sankaiさん、お久しぶりです。
貼って下さった画像は、クレマチスでしょうか?
涼しげで素敵な色あいですね^-^

>イケメン猫君が2週間ほど前からぱったり帰って来なくなり

それは寂しいですね。
オス猫は時々、ふらっと出かけることがあると聞いたことがありますけど、
それでしょうか。
放浪癖?もしかしたらガール・ハントとか。
イケメンだけに女子にひっぱりだこかもしれないですね。
でも、そうならまた、ふらっと帰ってくるんじゃないでしょうか。
居心地のいい膝の上に^-^

僕は実は、夏風邪をひいてしまいました…(><)
もう1週間以上になります。平日はふらふらと仕事に行き、
休日は家でダウン。のっぺりした怪物と格闘しているみたいです。
気持ちだけ空の上…
sankaiさんも体調に気をつけて、
涼しい夏をお過ごしください^-^



木陰の猫たち sankai - 2017/08/14(Mon) 21:23 No.2181  

夏風邪で胃腸が弱ったりすると、体力が落ちて
通勤もいっそうつらいですよね(><。
お仕事は、体に負担の少ないデスクワークなどでしょうか。
お休みの日は、なるべくゆっくり過ごしてくださいね。

画像はデルフィニウムです。
更紗さんに聞かれて調べてみたら、
クレマチスの親戚、同じキンポウゲ科なんですね。
ほんのり内側から光っているような青に
引き込まれそうになります。

>猫
イケメン君と入れ替わるように、
彼と仲の良かった妹(姉?)猫が
2匹の子猫と庭に涼みに来るようになりました。
相方らしき猫と一緒に来ることも。
お兄ちゃんどうしてる?
猫語が話せたら、いろいろ聞いてみたいなあ。

ここ数日、明け方は少し涼しくて、
ようやく暑さのピークを超えたかな、と淡い期待をしています。
更紗さんの風邪も少しずつ回復しますように。



夏猫 更紗 - 2017/08/20(Sun) 09:43 No.2182  

sankaiさん、こんちは。
返事が遅くなってごめんなさい。
体調はやっと回復してきました。
風邪薬と一緒に飲んだ栄養剤が効いたようです。
白マスク姿のよろよろしたデスクワークがよほど悲惨だったのか
今まであいさつ程度にしか言葉を交わしたことのない何人もの人に
声をかけられたのが赤面というか情けないというか^-^;;

でもこんなひどい風邪は8年ぶりくらいなので
もうあと8年はきっと大丈夫(な予定)…
あたたかいお言葉ありがとうございました^-^

>猫
妹(?)猫家族さん、イケメン君に頼んだんじゃないでしょうか。
「お兄ちゃんがいつも言ってるそんな素敵な家があるなら、一度行ってみたい」って。
猫同士の会話が聴けたらいいですよねえ。

>青い花
デルフィニウムでしたか!
憧れの花です。関西では夏越しが難しいせいか、植えられているのをほとんど見かけません。
天上の青を思わせるような色ですね。
暑さを、というか現世を忘れさせてくれそうな。

心なしか庭の蝉の声も盛りを過ぎたみたいです。
自然はそろそろ秋の準備を始めているのかも…
残暑ももう少し、かな?

sankaiさんもどうぞお身体ご自愛ください。
ではでは^-^



6月、窓辺。 投稿者:更紗 投稿日:2017/06/04(Sun) 13:43 No.2178  
そよ風が吹いてレースのカーテンを膨らませている
ふわりふうわりと自由なリズムで
木漏れ日がちらちらを窓辺に踊る
鳥のさえずりが聴こえる

繰り返される彼らの日常に立ち会える
一生に何度あるかわからない時間

吹く風のなかに神がいて
煌めく光のなかに神がいて

この風景のなかにいるということが僥倖なのだと
むかし誰かが言ったように

この瞬間に召されたらどれほど幸福なのだろうと
それが 残された人のことを考えない自己中心的な考えであろうと

僕のともだちはある夏の日の午後
突然にこの世を去った。
それが苦痛だったか無念だったか甘美だったか解放だったかはわからない

残された人間はただ、彼のいない風景を生きていくだけだ
風にそよぐカーテンのように
もうすぐ梅雨が来る



五月晴れ 投稿者:更紗 投稿日:2017/05/05(Fri) 11:02 No.2177  
ゴールデンウィーク、いかがお過ごしですか?
再就職してやっとひと月、街を離れて藤の花を見に行ってきました。
学生時代によく訪れたJRの駅の改札で
当時、いつも手を振って僕を出迎えてくれた友だち親子の姿が
昨日のことのように目に浮かびました。
晴れた日も曇った日も、
いつも無言で「おかえり」と言ってくれる土地で
薄紫にけぶる藤の花のシャワーを浴びて、呆けたような一日でした。

早く仕事に慣れ、日常のペースを取り戻して
ここにももっと来たいなあと思っています。
積もる話もあるしね。

ではでは、また。
素敵な初夏をお過ごしください^-^



ミモザ 投稿者:更紗 投稿日:2017/03/21(Tue) 17:32 No.2176  

あたたかな春分の日の朝、家の前の道を掃いていると知らない人に声をかけられた。
「あの、ミモザは…」
僕は笑顔をつくる。これで2人目。
見上げると淡青色の空が広がっている。
一昨年前まで満開の黄色い花たちが咲き誇っていた空間だ。

12年前、この家に引っ越してきた僕と相棒は
シンボルツリーにしようと庭の南角にミモザを植えた。
高さこそ3メートル弱はあったものの、幹は細々として貧弱な枝に
「かかしみたいやな」と隣家の親父に冷やかされたものだ。
その言葉に発奮したのかどうか、ミモザは陽光を浴びてみるみるうちに枝を伸ばし、
一年後の春には樹全体を金色のまるい花々に覆いつくさせて親父を唸らせた。

僕たちは満開の枝をバケツに入れて門の前に出し、
道行く人にお裾分けをした。花瓶にそのまま差してもいいし、
春分の日近くになるとお墓に供えた人もいたらしい。
教会の人もたくさん抱えていった。
それでも余った分は、近くの公民館に飾ってもらおうと持っていった。
そうして3月末になると、剪定を終えたばかりのミモザはもとの「かかし」の姿に戻る。
それはまるで、役目を終えた「幸福の王子さま」みたいだった。

花枝を抱いた誰もが嬉しそうに微笑む。
春の訪れを告げる黄色い小さな花は
引っ越してきて近所に誰も知り合いのいない僕たちの背中を押してくれたのだ。

でもひとつだけ、不思議なことがあった。

僕は満開の時期にいろんな友達を呼んだことが何度もあったのだけど、
どういうわけか、いつもその日が雨になるのだ。
最悪のときには、やむをえないドタキャン、という日もあった。
この樹は、誰か他の人間に間近で褒められたくはないのだろうか。
もしかして、誰かを待っているのだろうか。
それは本当に、変な空想だった。

5年目の春が終わったあと、僕たちの家に1匹の子猫が来た。
目の見えない、足の不自由な猫で、リビングに置かれたケージが彼の住まいだった。
リビングの南向きの出窓からミモザの正面が見える。
春先には黄金色の花房が、それ以外の季節は銀色の葉がさわさわと風に揺れた。

それはいつ頃からだったのだろう。
南からの潮風のせいか、葉の陰に潜んだカイガラムシのせいか
枝の出方が少しずつ減り、花つきが少しずつ悪くなっていった。
台風の多い年になると葉の色が黄味を帯び始め、
時折落葉が目につくようになった。

大きくなりすぎて薬剤散布は枝先まで届かず、
僕たちは毎年強剪定を繰り返した。
内部の虫害には薬剤を注入した。
結果ははかばかしくなく、樹勢を盛り返すことはできなかった。

10年目の春、僕は僅かに咲いた花枝を切って、門前のバケツに入れた。
その年初めて見る、小学生の女の子と母親の親子連れが足をとめた。
「よかったらどうぞ」
女の子がぱっと顔を輝かせた。母親が言葉を添える。
「去年もいただいたんですよ…」
「あ、そうでしたか」
ふたりを見送って、思わず頬が緩んだ。よかった。

ふり絞るように花を咲かせたあと、ミモザは目に見えて衰えた。
幹の根元部分からかなり上部まで縦に黒ずんだ窪みができ、無数の小さな裂け目が入った。
僕たちは土壌改良し、支柱も立て直し、最後の手段とカンフルを打った。1度、2度。
樹は黙していた。

その秋、しとしとと続く長雨のなかで
夏のおわりに体調を崩した猫が息をひきとった。

ミモザがはっきりと葉を落とし始めたのはそれからである。
まるではらはらと涙を流すように
白茶けた葉が枝を離れて風に舞い、地面を埋めた。
もう助からないのは明らかだった。
ミモザはゆっくりと枯れていった。

冬が終わり、例年ならば開花を1ヶ月半後に控えた2月に、
僕は相棒に、ミモザの伐採を頼んだ。
もうそろそろとミモザの花を楽しみにしている人たちに、枯れた姿を見せたくなかったからだ。
ある朝、僕がまだ布団の中にいるときに彼はそれを実行した。
音に驚いて玄関を飛び出した僕の眼に入ったのは、
切り株だった。

「こんなに細かったっけ…」

こんなに小さかったっけ。こんなに。


僕はリビングの出窓から庭を眺めた。
ミモザがあったはずの空間にぽっかりと穴があいて、冬空が見えている。
そこから冷たい風がまっすぐ家の中に吹き込んでくるようで、思わずぶるっと身をすくめた。



    ***


   僕はその時、
   ミモザは猫のあとを追うように行っちゃったんだなあと思っていたんだけど、
   今は、そうじゃない。
   もしかしたら、あの樹は僕たちを守っていたんじゃないだろうかと思う。
   大きく枝を広げて、外から吹き込んでくる悪いものから、猫や、僕たちを
   守ってくれていたんじゃないだろうか。

   そう思うようになったのには理由がある。
   僕がその後職場で不運としか言いようのない怪我を負ったのは
   ミモザを切り株にしてから
   たった2日後のことだったからだ。

   そして、もしそうなら、
   きっとあの樹は、今も最強のガーディアンとなって天国で枝を広げているんじゃないだろうか。
   春先には黄金色の花房を、それ以外の季節は銀色の葉をさわさわと風に揺らせて。
   その腕の下には目の見えるようになったあの猫が、ほかの猫たちと遊び呆けているんじゃないだろうか。
   春分の日の幸せな夢を、
   あの樹は今も僕たちに見せてくれる。
   天国のミモザ。




春間近。 投稿者:更紗 投稿日:2017/02/27(Mon) 21:52 No.2174  
バイト三昧♪
充電中……

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Modified by isso